Ising モデルは、強磁性体の性質を表す、最もシンプルなモデル
である。
スピン自由度は各格子点(サイト)上にあり、の値を取る。
スピン間の相互作用は、隣り合う格子点(最近接格子点)間のみで働き、
結合定数で表される。
また、外場が掛かっているものとする。
ハミルトニアンは、
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次の章では、1次元の場合に実際にIsing モデルの分配関数を求める。 Ising モデルは、磁性体をモデル化したものとしては、 最も簡単な形をしている。 しかしながら、それでも解析的に解くことができるのは、 1次元の場合と、2次元で外場が無い場合だけであり、 2次元で外場のある場合、3次元以上の場合などは解くことが できない。 強磁性体の性質を定性的に明らかにする手法として、 3章で扱う平均場理論がある。 しかしながら、平均場理論では、後に述べる臨界指数などを正しく求める ことができない。 これは、揺らぎの効果を正しく取り入れていないことによる。 より一般的に相転移現象を調べる手法として、 Monte Carlo 法による数値シミュレーション の方法を紹介するのが、このノートの目的である。