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シミュレーションの手順

ここで、Ising モデルの場合に、シミュレーションの手順をまとめておく。

初期状態の生成

例えば、cold start の場合、すべての $S$$+1$ (あるいは $-1$) にする。 hot start の場合には、乱数によってまったくランダムに $S=\pm 1$ を与える。

Thermalization

系が十分な熱平衡状態に達するまで、sweep を繰り返す。

Sweep を繰り返しながら物理量を測定

測定と測定との間には、十分な sweep を行なうことが望ましい。 これが十分でない場合には、測定した値の間に相関が残る ため、統計処理が複雑になる。

統計処理

各配位の上で得られた物理量の値を統計処理し、 平均値、誤差などを求める。 また、物理量によっては、フィットなどの操作が必要な場合 (相関距離など)もある。

この演習では、このようなシミュレーションの例して、 2次元の Ising モデルのプログラムを用意している。 最も重要な部分は、スピン変数を熱浴法に従って 局所的にアップデートしてゆくルーチン(あるいは関数) である。 そのアルゴリズムが、実際に Eq. (72) を実現していることを確認されたい。



Hideo Matsufuru 2006-06-16