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平均値と誤差

この節の記述は、文献[4]に従っている。 独立な測定データ $A_k$ ($k=1,...,M$)に対する 平均値とその誤差は、次の式で与えられる。

$\displaystyle \langle A \rangle$ $\textstyle =$ $\displaystyle \frac{1}{M} \sum_k^M A_k$ (77)
$\displaystyle \delta \langle A \rangle$ $\textstyle =$ $\displaystyle \sqrt{ \frac{ \langle (A - \langle A \rangle)^2 \rangle}
{M-1} }$ (78)
$\displaystyle = \sqrt{ \frac{ \langle A^2 \rangle - \langle A \rangle^2 }
{M-1} }$     (79)

いくつかの物理量 $A^{(a)}$ の関数として表される量 $f(\{A^{(a)}\})$ の誤差を見積もるためには、次の誤差の伝播則を用いる。
\begin{displaymath}
\delta \langle f(\{A^{(a)}\}) \rangle
= \sum_a \left\vert ...
...al A^{(a)}}\rangle
\delta \langle A^{(a)} \rangle \right\vert
\end{displaymath} (80)

しかしながら、複雑な関数 $f$に対して誤差の伝播則を適用すると、 誤差を過大に見積もる場合が多い。 また、比熱や磁化率のような、分散が物理量となる場合、 Eq. (79)によって誤差を見積もるのは簡単ではない。 そのような場合には、次のジャックナイフ法を用いるのが便利である。



Hideo Matsufuru 2006-06-16