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一般に系の自由度 に対し Hamiltonian で記述
される系があるとする。
カノニカル・アンサンブルに対し、ある物理量 の期待値は、
次のように表される。
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(55) |
ここで、 は系の自由度、 はその Hamiltonian、
はある物理量とする。
和は、すべての状態について取る。
Ising モデルの場合には、 は 各格子点のスピン 、
としては磁化や比熱、相関関数などとなる。
個のスピンからなるIsing系では、状態数は個となり、
が小さい場合を除いて、すべての状態について実際に和を
評価することは現実的ではない。
一方、上の式で、Boltzmann 因子
は、
確率測度として解釈することができる。
この場合、系の配位 をこのBoltzmann 因子
に等しい出現確率で生成することができれば、
その各配位に対して物理量を計算して平均することに
よって、の統計力学的平均値
を得ることが出来る。
即ち、
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(56) |
ここで は、
の確率で
生成される、番目の場の配位である。
この方法では、
への寄与が大きい配位、
つまり Boltzmannウェイトが大きい配位を集中的に
生成することによって、 効果的に計算を行なうことができる。
このような方法を、重点サンプリング(important sampling)
と呼んでいる。
Hideo Matsufuru
2006-06-16