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臨界指数

臨界現象、あるいは連続的相転移の場合、相転移点近傍での 物理量の振舞いを表すのに、臨界指数と呼ばれる量が用いられる。 これらは例えば磁性体の場合の呼び方では、 (等積)比熱 $C_V$、磁化 $M$、磁化率 $\chi_T$などに対して、 次のように定義される。

$\displaystyle C_V$ $\textstyle \propto$ $\displaystyle \vert T-T_c \vert^{-\beta}$ (10)
$\displaystyle M$ $\textstyle \propto$ $\displaystyle \vert T-T_c \vert^\beta$ (11)
$\displaystyle \chi_T$ $\textstyle \propto$ $\displaystyle \vert T-T_c \vert^{-\gamma}$ (12)
$\displaystyle H$ $\textstyle \propto$ $\displaystyle M^{\delta}$ (13)

最後の関係式は、相転移温度$T_c$近傍で外場$H$を微小量入れた時の 磁化の振舞を表す。 また、相関関数に関係する量として次の二つが定義される。
$\displaystyle \xi$ $\textstyle \propto$ $\displaystyle \vert T-T_c \vert^{-\nu}$ (14)
$\displaystyle G(r)$ $\textstyle \propto$ $\displaystyle r^{-(d-2+\eta)}$ (15)

実験的に、臨界指数が同じ値になるような系が存在する。 このことを理論的に説明するのが、 K. G. Wilson による、繰り込み群の理論である。 これによると、系はユニバーサリティ・クラスと呼ばれる クラスに分類され、それぞれのクラスに属する系は同じ 臨界指数を持つ。 ユニバーサリティ・クラスを特徴づけているのは、 Hamiltonian の対称性、次元、相互作用が短距離かどうか、 という、わずか3つの性質である。



Hideo Matsufuru 2006-06-16